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大腿骨頸部骨折

当院では積極的に大腿骨頚部骨折の手術・治療にあたっています。

大腿骨頚部骨折とはどんな病気?

大腿骨頚部骨折とは大腿骨付け根に近い部分(股関節の近く)の骨折です。
股関節の関節包より外側で骨折する「外側(がいそく)骨折 あるいは転子部骨折」と、関節包の内側で骨折する「内側(ないそく)骨折」とに分けられます。
関節包の外側は血流がよいため骨がくっつきやすいのですが、内側は血流が乏しいため骨折した骨はなかなかくっつきません。そのため両者では治療法が異なります。

大腿骨頚部骨折

大腿骨頚部骨折の症状

一般的には骨折した直後から脚の付け根の痛みと腫れがあり、歩くことができなくなります。  内側骨折よりも外側骨折の方が症状は激しく、外側骨折では骨折したところからかなり出血するため、早期に適切な処置を行わないと貧血が進んで危険な状態になることもあります。  骨折のタイプや程度によっては骨折直後は痛くなかったり、立ち上がったり歩いたりできる場合もあります。痴呆のある方の場合にはしばらく気づかれないこともあるので注意が必要です。

どのように治療しますか?

治療法は大きく分けて手術療法と保存療法があります。

1.手術療法

したがって特に高齢者の場合、全身状態が許せば早期に手術を行うことにより痛みをとり体重をかけられるようにして、リハビリを開始し、早期に離床することが望ましいと考えられています。手術は、螺子やガンマネイルなどによる固定術、人工骨頭置換術などがありますが、どの手術にするかは骨折のタイプによります。

骨折タイプ

当科では手術適応のある患者さんには可能な限り早期にこのような手術を行い、またリハビリも術前から行うことによって概ね良好な成績を得ています。なお手術療法を選択する場合、起こりうる周術期合併症を考慮しておかねばなりません。
その主なものに手術部位の感染と静脈血栓塞栓症があります。患者さん個々の既往疾患や持病、術前の状態(臥床期間が長いなど)により術前からこれら合併症の発症リスクが高まっている場合もあり、この認識と術前からの予防対策が必要であり当科でも積極的に取り組んでおります。

2.保存療法

保存療法を選択するのは以下の二つの場合があります。

<内側骨折で骨のずれがほとんどなく、比較的若い人の場合>

骨がつく可能性が高く、数週月間寝たきりでいてもそれほど大きな問題が起きない場合です。 ただし内側骨折は骨折部の血流が悪いために骨がくっつかないまま偽関節になったり、折れた骨が壊死したりする可能性があります。

<全身状態が悪い場合>

手術や麻酔というのは体にかなり負担がかかります。全身状態が悪いため、寝たきりでいる危険性より手術をする危険性の方が高いと判断される場合には保存療法を選択します。
手術しない場合でも数ヶ月安静にしていると痛みは落ち着いてきます。
転位のある内側骨折の場合、基本的に骨がくっつくことはありません。
したがって足に体重をかけることはできませんが、あまり痛みなく車椅子に座っていることは可能です。
場合によっては良い方の足に体重をかけて立つことができることもあります。痛みが落ち着き次第できるだけ早く車椅子に移って寝たきりを防ぐことが重要です。
外側骨折の場合、患肢をけん引して安静を保っていれば骨はくっつきます。通常3~4週間程度で多少動かしても骨がずれなくなり、2~3ヶ月程度で体重をかけて歩く練習を開始します。
(ただ、かつては、こうした保存療法を選択せざるを得ない場合が多く、その結果、多くの高齢者が寝たきりとなっていました。)

予後はどうですか?

一般的に骨折後の歩行能力は手術をしたとしても1ランク落ちるといわれています。例えば家の外を自由に歩いていた人は杖が必要になり、杖で歩いていた人は主に家の中での生活になり、家の中をつかまりながらやっと歩いていた人はベッドからポータブルトイレや車椅子への移動がやっとになり、といった具合です。しかしリハビリテーションの進み具合は個人差が大きく本人の意欲、痛みの程度、体力、合併症、痴呆の有無などによって大きく変わってきます。特に痴呆症状が強い場合にはリハビリがあまり進まないことが予想されます。

また大腿骨頚部骨折は骨折による全身への負担や運動機能の悪化のために、持病が悪化したり、新たな病気にかかったりすることがあり、寿命にも影響すると考えられています。